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[コン検通信 理事だより] 繁忙期に向けた体制づくり

最大10連休となった今年のゴールデンウィークは、3年ぶりに行動制限のない連休となり、各地の観光地ではにぎわいを取り戻している様子が報道されていました。業種・業態にもよりますが、多くのコンタクトセンター関係者は、GW期間中も対応されていたのではないかと思います。

さて、コンタクトセンターの運営において、繁閑への対応は難しい要素の一つであり、いかに体制を構築していくかが課題になることも多いと思います。そこで今回は、繁忙期に向けた体制構築についてポイントを紹介したいと思います。

繁忙期に向けた体制作りは、入電予測から始まり、要員計画の策定、採用・研修、OJT、デビュー、スキルアップ研修というプロセスを経ていきますが、要員を増強するには、採用から研修まで含めて最短でも3〜6ヶ月の期間を要します。

入電予測は、どれだけの入電がいつ入ってくるのか、過去のデータも確認しながら、日や時間帯別に予測する。また、キャンペーン等の情報も収集して、影響度を予測に織り込み、最新情報に常にアップデートしていく。アウトバウンドやメール/チャット対応等のチャネルごとの予測も立てておく。

要員計画は、入電予測に基づいてシフトを作成すると、どれぐらい人員がいつ不足するか、必要なスキルを持った人員を配置できるか、生産性の変動やシュリンケージ、離職も考慮して、不足人員数を算出。採用オーダーをかける。オペレーターが増加することに合わせて、SVの増員計画も立てておく。

採用は、採用条件の見直しや応募から採用までのリードタイムを短縮する工夫を行いながら、採用オーダー数を充足させる。予定通りに採用が進まないことも考慮して、あらかじめ予備の研修開始日を設定しておくことも必要です。

研修は、デビューに必要なミニマムスキルを定義し、研修資料や研修カリキュラムを見直す。業務に必要な知識やスキルが習得できているか、合否ラインやデビュー基準を設定。習得にバラツキがでることも考慮して、フォローアップ体制も準備しておく。
集合研修だけではなく、動画やeラーニングを組み合わせたり、リモートで研修を実施したりすることも有効な施策です。

デビュー後に対応範囲を拡げるためのスキルアップ研修の実施や応対品質研修を実施して、目標とするスキルレベルに到達させていく。

等々を進めながらも、予想以上に問い合せが入ることも想定して、他部署やバックオフィスからの応援体制を構築しておいたり、緊急度に応じた優先度を設定しておいたりすることも必要になると思います。

また、お客様の自己解決率向上を図るために、Web FAQやチャットボットを活用したデジタル化をより強化していくことも、重要な施策になるでしょう。

コロナ禍で稼働を縮小したり、元に戻したりと、難しい舵取りを迫られているコンタクトセンターも多いのではないかと思います。皆様のコンタクトセンターでは、繁忙期や業務量増加に備えてどのような取り組みをされていますでしょうか。これからという方は、今回ご紹介したポイントを振り返り、次の繁忙期に備えていただければと思います。

弊社でも夏に繁忙期を迎えます。様々な準備を進めておりますが、一丸となって繁忙期を乗り越えていこうと思います。

<タイムズコミュニケーション株式会社 大友 和明>