インフォメーション
COPC CX規格とは顧客体験(CX)オペレーションの管理とパフォーマンス向上を目的としたガイドラインを提供する標準規格です。グローバルでは、コンセントリックス社のような大手コンタクトセンター運営会社や、Apple社のような世界的なIT企業などが企画運営に携わり推進しています。日本でもコンタクトセンター運営会社、金融、メーカー、IT等、幅広い分野の企業が認証取得して、コンタクトセンターのパフォーマンス改善に取り組んでいます。
日本ではCOPC CX規格の認証取得企業で構成するユーザグループという活動があります。弊社のマネージャーが2020年―2021年の2年間、ユーザグループの会長に選任され、COPC CX規格の世界会議に参加させて頂きました。この2年のうちに、COPC CX規格は5年ぶりのメジャーバージョンアップを行うタイミングとなり、規格の構成見直し、デジタル化ツールの取り込み、顧客ジャーニーなど、新しい項目が追加されて大きな進化を遂げました。日本語版は『COPC CX規格コンタクトセンター版リリース7.0』として2022年1月にリリースされました。詳細は日本でCOPC CX規格の適合アセスメントサービスを提供するプロシード社のホームページに記載がありますので、興味のある方はご参照下さい。
https://proseed.co.jp/copc_service/
このメジャーバージョンアップで、もう一つの進化の方向性として、StandardからCriteriaへの、パフォーマンス規定の方針変更があります。
・Standard = やるべきことを定める項目を規定
・Criteria = 各センターの熟慮と実行促す項目を規定(リリース7.0の方針)
COPC CXのような標準規格に限らず、会社やプロスポーツチームといった成果を求められる組織の運営においては、「スタンダード(やるべきこと)」がルールとして提示されれば、褒賞や罰則を通じてルール遵守を促すことで、一定レベルのパフォーマンスを期待できます。一方、VUCAの時代と言われるように、社会・政治・環境・技術など変化の激しい現代にあっては、過去からの経験で「やるべきこと」をルール化することが難しく、新しい環境に適応していく組織運営が求められています。ティール組織やホラクラシー組織といった「ヒエラルキーを廃止し、各個人やチームが自律的に思考し目的達成を目指す組織運営」が、近年注目されるようになってきました。
この「自律型組織運営」の潮流をいち早く取り込んだのが、前述したCOPC CX規格の進化の方向性である「Standard(やるべきこと)から、Criteria(各センターの熟慮と実行を促す)」への方針変更ではないでしょうか? 皆さんの働くセンターや所属する組織では、「自律型組織運営」について課題意識を持ち、検討されたことはありますでしょうか? 弊社でも、COPC CX規格の方針変更を良い機会と捉え、新しい環境に対し自律的に思考し行動に移す組織運営について、メンバー間で議論していきたいと考えています。
<NTTコミュニケーションズ株式会社 金子 憲史>