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毎年3月20日の「国際幸福デー」に、国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)から、世界幸福度ランキングが発表されています。ちなみに、2021年は150か国以上を対象とした調査結果で、日本は54位(5.94点)でした。ひとり一人の価値観や幸福の感じ方は多様ですので、この順位を見て悲観したり喜んだりするものではありませんが、同じ基準で比較するのは興味深いものですね。
では、私たちコンタクトセンター業界の幸福度はどうでしょうか。顧客サービスを担うオペレーターが幸福を感じていなければ、お客様のために!という気持ちを強く持てないはずです。
当社が昨年実施した調査(調査数:38センター/4,374人)では、主観的幸福度(あなたの人生の幸福度に、今の職場や仕事で過ごす時間は良い影響を与えていますか?/0~10の11段階)という設問があります。スコアは5.65(11段階の平均点)でした。上位センターでは7.0を超え、下位のセンターでは5.0を下回っていました。世界幸福度ランキングと全く同じ設問ではありませんが、コンタクトセンター業界は、日本全体のスコア(5.94点)を少し下回っているかもしれません。また、相対的にみて、規模が小さい(50名未満)センターの方は幸福度が高く、規模が大きいセンターほど幸福度が低い結果となりました。その他、いくつか興味深い結果が出ましたので抜粋して共有させていただきます。※詳細は2021 Customer Center Well-being白書で確認できますので是非ご覧ください。https://proseed.co.jp/documents/
幸福度が高いセンターの特徴とは
幸福度が高いセンターの「仕事のモチベーション」に関するフリーコメントでは、「成長できる」「感謝される」に関連したコメントが多数みられました。これはオペレータ-だけでなくSVやリーダーも同様でした。一方、幸福度が低いセンターでは、「理不尽」「感情的」「不公平」など、人として大切にされていないと感じていると思われるワードが頻出していました。いずれにも共通しているのは、物理的な職場環境ではなく、センター内の人間関係やコミュニケーションに関連するものでした。
また、当社の改善実績から、ウェルビーイング(※)になるための7つの重要要素(①成長と学習、②認め合い、③チーム力、④能力の発揮、⑤会社への信頼、⑥健全な職場、⑦ワークライフサイクル)についても調査を行いました。 ※ウェルビーイング:元々はWHO(世界保健機構)が提唱した「健康とは、精神、身体、社会のいずれも良い状態(ウェルビーイング)であること」で使われ、近年、ワークエンゲージや創造性、パフォーマンス向上にも貢献すると注目されている。
ワークライフサイクルのスコアは低い
ワークライフサイクルとは、仕事とプライベートは別の物という考えではなく、現実的には切っても切れない関係であり、両方の好循環を目指そうという当社の考えです(バランスではなくサイクルです)。
調査結果では、睡眠や運動に問題がある結果となりました。確かに、コールセンターは一日中座り、電話応対をし続けるという特徴があります。仕事をしながら心身共に健康になっていくための工夫は、まだまだ探求の余地が多くありそうです。
ウェルビーイングなセンターは、ある日突然改善できるものではありません。とても時間のかかることであり、持続させていくことが大切です。そのためには、経営層も交えて、“何のために取り組むのか?”を深く考えなければ表面的な活動を繰り返すだけになってしまいます。会社と従業員のエンゲージメントはどうあるべきか?の基軸をしっかり定めることが大前提にあると思います。
当社では、今年もカスタマーセンターのウェルビーイングアワードを開催します。その活動を通じて、幸福度が高いセンターが増える、そして、日本全体の幸福度がコンタクトセンターを起点として高まっていく、そんな社会へ貢献していきたいと考えています!
<株式会社プロシード 根本 直樹>