コン検は、コンタクトセンター事業の拡大に伴う人財確保と定着の手段として活用するために導入しました。採用した人財を育て、働き続けてもらえる環境を整えるための一助として考えています。
事業拡大に伴い、社内職種転換者、グローバル対応要員、サテライトセンター設置による現地採用者、業務委託先企業や派遣会社などの協力会社などへの要員増加等が見込まれます。こうした状況に対して、一定水準以上のサービスの品質の確保・維持および、コンタクトセンター内の共通言語化を図るため、『コンタクトセンターマネジメント知識スキル体系ガイド(CMBOK:シンボック)』と、コン検の活用を採択しました。(丸田さん)
コンタクトセンター系の資格というと、電話マナーや対応スキルの部分がクローズアップされたものばかりで、コン検のようにセンターのマネジメントスキルにまで踏み込んだようなものはありませんでした。そうした部分は受験者たちに新鮮だったみたいですね。『日頃、自分が何気なくやっていることを整理することができた』『どういう理由があってこういうことをやっているのかがわかった』『各項目が体系立ててまとめられているので、知識やスキルの棚卸しに活用できた』という意見が多く寄せられました。(土谷さん)
人財育成計画を進めていくなか、CMBOKのコンピテンシー(※1)一覧におけるレベルと実践度を当社のコンタクトセンターの実情に合わせて改変した『CMBOK-H』を作成しました。これは、CMBOKの見方を当社向けに変更したもので、例えば、スーパーバイザーに必要なCRM(※2)の知識やスキルとしてCMBOKで3のレベルが付いていたとしても、当社のセンターがそこまで求めていないのであれば2にするとか、逆に当社で3以上のスキルが必要なら4にするというように、当センターの実情に合わせて調整しています。
さらに、『CMBOK-H』を使った自己評価を実施して、各自のレベルを認識する作業も行っています。『CMBOK-H』の項目に基づいて、それができない・できる・指導もできる、といった具合に自分でランクを付けて、それを上長に評価してもらいます。これによって各自のレベルがわかるだけでなく、具体的にどこが強みなのか・弱いのかが見えてきます。この点もまた、CMBOKやコン検を導入する大きなメリットです。(土谷さん)
CMBOKやコン検の導入に伴い、一人ひとりの強みがわかれば、そこをより強靭化させていく方向に導くこともできますし、例えば、スタッフィングが弱い、センター構築経験がないなどといった弱みや経験が不足しているということが見えてくれば、それらを身につける教育やローテーションを実行していくことで高スキルの人財を育成していくことが可能になります。そのために何が必要か、何をすればいいのかという社員研修の具体的な内容は、これから育成計画に反映させていきたいと考えています。(丸田さん)
※ 1 コンピテンシー:高い成果を継続的にあげるための行動特性
※ 2 CRM(Customer Relationship Management):顧客満足度を向上させるために、顧客との関係を構築することに力点を置く経営手法。
掲載内容は、2012年7月取材時のものです。
株式会社日立システムズ
所在地 :東京都品川区大崎1-2-1
従業員数:11,081名 ※グループ会社は除く[2012年3月現在]
日本のIT黎明期から先駆的に取り組んできたITサービスの実績・ノウハウを踏まえ、システムのコンサルティングから構築、導入、運用、保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーしたワンストップサービスを提供。ITの枠組みを超えて、新たな価値を創造し続けるグローバルサービスカンパニーを目指している。
コンタクトセンタ事業部
基盤設計部
担当部長
丸田 豊 さん
コンタクトセンタ事業部
基盤設計部
センタ運用グループ
主任技師
土谷 恵里 さん