サービスの品質向上と運営面での意識向上を目指してコン検を導入
「人財能力マップ」に組み込み、人材育成にも活用
当社では、お客様に高品質なサービスを提供するため、現場を熟知したエンジニアがコンタクトセンターのスタッフとして対応するという体制を採っています。しかし、お客様対応の基礎ができているエンジニアであっても、現場でFace to Faceで対応するのと電話で話すのとでは、勝手が違いますし、最初はコンタクトセンターや電話応対に関する基本的な用語を知らずに戸惑うこともあります。もちろん、基礎的な知識は研修やOJTでフォローし、社内でモニタリングスコアをつけて応対品質の評価も行ってきました。しかし、社外から見たときに自分がどれくらいのレベルにいるのか、業界のスタンダードとしてはどうか、という点においては不十分な点も・・・。
そこで、コン検を活用することで、業界標準の知識とスキルを体系的に学べ、そのスキルもより客観的に判断できるようになると考え、導入を進めました(下田さん)。
人財開発部が中心となって、当社が提供するすべてのサービス領域におけるエンジニアの能力を6つの領域に分け、5段階のランク(A~E)で定義した「人財能力マップ」を作成し、これを人材育成の基盤としています。「人財能力マップ」には、各ランクで求められる知識・スキルと、それに対応した研修や資格などがマッピングされていて、ランクAが基礎知識レベル、そしてランクC以降が応用・高度レベルです。
コンタクトセンター部門では、この「人財能力マップ」にコン検も組み込んでおり、現在、コン検の「オペレーター」はB、「スーパーバイザー」はCに位置づけられています。例えば、現在ランクBの人がランクCを目指す場合は、「スーパーバイザー」の取得を推奨しており、応用的な知識・スキルを有して、より難易度の高い業務を独力で遂行できる、コールセンター対応部門におけるハイエンドプレイヤーとして活躍するための必要要件の一つとして、コン検の資格を位置づけています(松岡さん)。
当社ではコン検を2011年から導入していますので、センターで働く約300名のスタッフのうち、約80名がオペレーション資格の「スーパーバイザー」を、また約40名が「オペレーター」を取得しています(2014年3月時点)。導入後は、お客様対応の品質向上はもとより、「スーパーバイザー」を取得することで、コンタクトセンターのマネジメントに関する知識も得られ、会社運営のなかでどのように行動するべきかという視点も身につきます。コン検導入後は、電話応対の品質と運営の両面において、スタッフの意識や行動が変わってきたことを実感しています(石本さん)。
2013年、同センターは、第三者機関によるお客様満足度調査において2年連続で窓口評価No.1を獲得、また、「地域密着型コンタクトセンターモデル」で一般社団法人CRM協議会主催の「2013ベストプラクティス賞」を受賞するなど、業界でも高い評価を得ています。こうした実績をもとに今後は、技術力、ナレッジ力、展開力という強みとともに、24時間365日、日本全国でサービスを提供できる同社のアセットと組み合わせて、コンタクトセンター業務を海外ベンダーや地方企業などの外部企業へと拡げていく予定です。
品質に対する対外的な証明にもなるコン検は、同社が将来的にアウトソーシングビジネスを展開していくうえでも重要な役割を果たしていくことでしょう。
掲載内容は、2014年3月取材時のものです。
NECフィールディング株式会社
所在地 :【本社】 東京都港区三田一丁目4番28号 三田国際ビル
従業員数:5,412名 [2013年3月末現在]
NECフィールディング株式会社は、ITインフラ領域における企画・設計、導入・構築、運用・監視、保守、改善までをトータルで提供する企業。約400拠点に、約4,000名のエンジニアを擁し、確かな技術力と豊かな知識、全国に展開するネットワークを活かして、サーバ、ネットワーク、ストレージ、ソフトウェアなどのITシステムの安定稼働をサポートしている。
カスタマサポート本部
東コンタクトセンター長
石本 勝照さん
カスタマサポート本部
コンタクトセンター
品質統括部
品質マネージャー
下田 文司さん
人財開発部
マネージャー
松岡章仁さん