半期に一度のアセスメントにCMBOKを活用
品質向上のための指標となり、切磋琢磨・情報共有という効果も発揮
当センターが、コンタクトセンター検定試験(以下、コン検)および、CMBOKを導入したのは2012年です。その頃は、センター運営の品質の安定化とさらなる向上を目指し、体系立った仕組みを取り入れる必要性を感じていた時期で、品質の基準となるものを求め、さまざまな資格試験を検討していました。そうしたなかで注目したのがコン検でした。
コン検は、センター運営の実務的なことだけでなく、戦略や構築に関する部分も含め、幅広い内容を扱っている点が良いと思いましたし、内部に伝達しやすい構成にも共感しました。そして、品質の基準や評価のあるべき軸を、コン検が規定するCMBOKに当てはめていくことで、当社のセンターに足りないものが明確になるだろうと考え導入しました。導入後は、センター所属の全社員に対して「合格」を目標に掲げるよう伝え、なかでもスーパーバイザーやリーダー昇格者には、早期にコン検の「スーパーバイザー資格」を取得するよう指示を出しています。(御家瀬さん)
導入当初は、コン検やCMBOKの考え方がなかなか浸透しませんでした。そこで2014年の夏から、CMBOKをベースにした48のチェック項目を設けたヒアリング形式のセンターアセスメント(センター能力評価シート)を新たに導入。スーパーバイザーやリーダーの個人目標として、このアセスメントのポイントアップ(評価点の向上)を目指す運営にしたところ、社員の意識も変わり、CMBOKの考え方も徐々に浸透しましたので、センター全体にCMBOKを軸にした働き方が拡がりつつあります。
アセスメントは、いわば各チームの“健康診断”。これによって、チームのコンディションが可視化され、次の目標が明確になります。例えば、「今期はこの分野の点数が低かったから、来期はここをリカバリーしなければならない。そのためには具体的に何をすればいいのか」といったことが各チームで考えられるようになります。また、2015年の春からは人事評価制度にもコン検が組み入れられ、「スーパーバイザー資格」の保有者は約50名(2015年11月現在)に達しています。(御家瀬さん)
アセスメントを実施するなかで、センター全体での課題も見えてきました。運営やカスタマーサービスに関する項目は、総じて点数が高いのですが、戦略や構築の部分で見るとまだまだ数字は低い。戦略や構築は、主にスーパーバイザーやマネージャーが担当しているので、ヒアリング対象者のリーダー層にとっては、まだそこまで視野が届いていないこともあるとは思います。しかし、クライアントの顧客設定戦略の重要性といったことを、アセスメントを通じてリーダー陣も意識するようになれば、より強い組織が作れると思うのです。そのためにも、今後は優秀なセンターや業務チームごとの表彰制度、さらには研修などを含めた教育面の充実も検討していきたいと考えています。(清水さん)
実際に点数が高いチームは、おおむね業務がうまく回っていて、人の定着率も良く、何よりクライアントからの評価が高い傾向にあります。最近はチームごとの競争意識も芽生え、お互いに切磋琢磨する、成績が良かったチームのリーダーが自分たちの取り組みを他チームと共有するなどといった動きも出てきました。これもアセスメントの効果だと思っています。(御家瀬さん)
掲載内容は、2015年10月取材時のものです。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 アウトソーシング事業部 セールスマーケティング統括部 コンタクトセンター運営部
所在地 :
東京都江東区豊洲3-2-20 豊洲フロント7階 (本社)
コンタクトセンター所在地:
【札幌】札幌市北区北8条西3丁目32番 8・3 スクエア北ビル10階
【仙台第一】仙台市青葉区国分町3-4-33 仙台定禅寺ビル3・9階
【仙台第二】仙台市青葉区二日町12-30 日本生命仙台勾当台西ビル2・4・6階
従業員数:2,980名 ※パート、委託スタッフは除く [2015年4月現在]
1977年9月設立。豊洲本社のほか、大阪、名古屋、札幌、仙台、福岡に拠点をもつ。 主な事業内容は、業務プロセスコンサルティング、システム企画・開発、システム運用・保守、パッケージソフト導入および保守運用、インフラ設計構築、クラウドサービス、ICTアウトソーシング、新エネルギーアウトソーシング、セールスアウトソーシング、WEBアナリティクスサービス、バックオフィス支援、カスタマーサポート支援など。
ゼネラルマネジャー
御家瀬 伸さん
仙台
コンタクトセンター
清水 亨さん